アントワープ:ヨーロッパ最大の化学工業地帯

アントワープ港は、ヨーロッパ最大、世界では米国ヒューストンに次ぐ第二位の化学工業地帯です。企業の集積は1950年代半ばに始まりました。現在は第三期目にあたり、精製化学製品(ファインケミカル)・特殊化学製品の製造が伸びています。港湾の外、西側に向かっても化学企業が連なっており、その帯はゲントまで続いています。
進出企業の名前を見れば、フランダースが化学工業でいかに強い地域であるかが分かります。BASF、バイエル、BP、ダウ、デュポン、エクソン-モービル、カネカ、クラレ、日本触媒、ノヴェオン、テキサコ、イネオスなどが生産を行っています。
世界有数の港であるアントワープ港は、西ヨーロッパのパイプラインの重要な連結点であるほか、港湾内部にもパイプラインのネットワークがあり、スヘルデ川の両岸をつないでいます。港湾周辺の工業関連の輸送の約52%はパイプラインで、34%ははしけ、10%はトラック、4%は鉄道で行われています。
港湾地域には精油施設が5ヶ所、スチームクラッキング施設が4ヶ所あり、年間170万MTのエチレンを生産しています。これは、ヨーロッパ全体のエチレン生産量の10%にあたります。また、プロピレンの生産量は年間150万MTにのぼります。ヨーロッパのフェノールのおよそ28%、カプロラクタムの18%、アニリンの33%はここで生産されています。
現在、港湾には350ヘクタールの未開発用地があり、さらに450ヘクタールを二回に分けて拡張する案も計画段階にあります。アントワープに進出する化学メーカーは、未開発用地、もしくはイネオス、バイエル、モンサントなどが各種のサービス、原料供給その他施設を提供する共用敷地のいずれかを選択することができます。
化学産業は今日も拡張を続けています。BPは、フランダース・ヘールの工場内に世界規模のPTA(高純度テレフタル酸)生産設備を建設するための本格的な技術設計作業に入ったことを2003年初めに公表しました。年間生産能力は70万トンで、この設備が完成するとBPヘールのPTA生産は年間170万トンになる見込みです。
フランダースには、適切なインフラ、適切なロケーション、適切な労働力、そして適切な姿勢があります。この組み合わせがあるからこそ、高品質で費用効果の高い生産と市場への迅速なアクセスというフランダースの利点を化学メーカーは最大限に活用できるのです。
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