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税制-個人所得税
個人所得税の原則は何ですか?
一般的に、ベルギーで雇用される外国人は、ベルギーの法律に従って所得税を納付しなければなりません。他に課税される可能性のある税は、固定資産税、贈与税、相続税です。ベルギーには、富裕税はありません。キャピタル・ゲイン税は、私的財産の一般的な管理とみなされない取引、所定の不動産の売却、ベルギー法人の持分の大部分の欧州経済領域(EEA)外企業への売却等、特定の状況に限り、個人に課税されます。
ベルギーの居住者は、あらゆる源泉から生じる総所得に対し個人所得税が課税されます。所得税は超過累進課税となっており、2008年の所得税率は25%から50%の範囲です。ベルギーの居住者は地方税も納付しなければならず、税率は所得税額の0%から9.5%の範囲です。
非居住者は、ベルギー源泉の所得、具体的にはベルギー源泉の勤労所得、ベルギーに所在する不動産所得、ベルギー源泉の投資所得(ベルギー企業が支払う利子および配当)に対して個人所得税が課税されます。非居住者は、所得税額の7%に相当する付加税を納めなければなりません。
下記の条件を満たす外国企業派遣者は、税制上「非居住者」とみなされ、特例措置が適用されます。
ベルギーの課税年度は1月1日から12月31日までです。個人が、暦年中の一定期間に限りベルギーで課税される場合、当該期間の所得は1暦年全体の所得の金額とみなされます。この場合、年間の給与に対する控除額や、手取所得のグロスアップに関し、課税期間で按分する必要はありません。
個人所得税はどのように算定されるのですか?
個人所得税は、まず課税所得を算定し、次にその課税所得に対する納税額を査定します。
課税所得の算定に際しては、ベルギー国内か外国で納付した社会保障個人負担分は全額控除されます。職業上の経費については、発生主義(証拠書類の具備が必要)か、または定額控除のいずれかの方法で控除することができます。定額控除の場合、現在の最大控除額は、課税対象の給与総額5万6,770ユーロに対して3,380.00ユーロです(2008課税年度<2009年の確定申告>)。
個人所得税は、配偶者の有無や扶養家族の人数その他の要素に基づく様々な控除を適用し、それらを控除した後の課税所得に基づいて算定されます。その他の所得控除が認められる場合もあります。しかしながら非居住納税者については、全世界での勤労所得の75%以上をベルギーで稼得しているか、または課税対象期間を通じてベルギーに住居を保有していない限り、所得控除または所得の配偶者へのみなし移転は認められません(下記参照)。課税当局の定義では、既婚納税者の住居は、納税者本人とその配偶者が共に暮らす場所です。ただし、この規則には若干の例外が設けられています。
夫と妻の所得に対する所得税額は別々に計算されます。一定の条件を満たした場合、一方の配偶者が得た勤労所得の一部を他方の配偶者に移転することができます。所得移転のためには、移転される側の配偶者が移転する側の配偶者の所得に貢献していたか、移転される側の配偶者の所得が移転する側の配偶者の所得を大幅に下回っている場合かのいずれかかが必要です。夫婦はそれぞれの所得に対して課税されますが、税額の査定は連名で行なわれます。ただし既婚の非居住者は、配偶者がベルギーの所得税の課税対象者ではなく、かつ8,880.00ユーロを超える非課税所得または外国の勤労所得がある場合には、単独で査定されます。
地方固定資産税はどのように計算されるのですか?
地方固定資産税(<仏>précompte immobilierまたは<蘭>onroerende voorheffing)は、「みなし不動産所得(cadastral income)」(当局が査定した不動産のみなし賃貸価値)で評価されます。ただし、占有の状態に応じ、一定の控除が認められます。固定資産税の税率は地方自治体によって異なり、また不動産の所在地によっても異なります。一般的に「みなし不動産所得」の20%から50%の範囲です。
ベルギーの税法はストック・オプションをどのように取扱っていますか?
1999年3月26日、ベルギー議会はストック・オプションに関する新しい税法を可決しました。この新法でベルギーが目指したのは、ストック・オプションを「被雇用者の利益」として付与すること認め、課税標準や課税の時期に関する疑念を取り除くことです。
1999年1月1日以降付与されたストック・オプションは、権利付与の提示から60日目(権利帰属の確定日)に課税対象となります。原則として、権利行使時とその後の株式売却時の売買差額に対しては課税されません。
1999年3月26日の法律は、2002年12月24日の法律により改正されました。改正前は、ストック・オプションの受益者が権利付与者に60日目までに書面で権利付与の提示を拒否しない限り、権利の通知日から60日目に課税対象となっていました。改正により、2003年1月10日以降に提示されるストック・オプションについては、受益者が60日目までに書面で権利付与の提示を受け入れることを条件に、権利通知書の日付から60日目に課税対象となります。受益者が上記の60日目までに書面で権利付与の提示を受け入れなかった場合、ベルギーの税制上では、ストック・オプションの権利を放棄したものとみなされます。
上場されているストック・オプションの場合、権利付与の提示日直前の当該オプションの証券取引所終値を基礎とし、受益者が支払った取得価格(該当する場合)を控除した額が課税対象金額となります。
非上場のストック・オプションについては、課税所得金額は、課税時点の価値と権利付与時のオプションの割引行使価額による価格差(discount。該当する場合)の合計となります。この課税所得金額から、受益者が支払った取得価格を控除します(該当する場合)。
課税時点の価値は、権利付与時の対象株式の公正市場価格に一定のパーセンテージを乗じた定額方式で算定されます。標準的なパーセンテージは、5年のオプションで15%です。5年以上のオプションについては、5年の15%に加えて、6年目以降1年毎、または1年の一定期間につき1%ずつ増えていきます。例えば、10年のストック・オプションの場合、オプションの課税時点の価値は、権利付与時の対象株式の価額の20%となります。
ただし以下の条件に該当する場合、課税時点の価値は2分の1になります(対象株式の権利付与日の市場価格の15%<1年ごとに+1%>でなく7.5%<1年ごとに+0.5%>で計算)。
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行使価格が権利付与の提示日に確定すること。
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オプションに以下の規制があるか、または受益者が以下のことにコミットしていること。
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オプションの権利付与者も、権利付与者と相互依存関係にある者も、オプションの価値下落のリスク(株式のキャピタル・ロス)を直接間接にヘッジできないこと。
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受益者が勤務する会社の株式に関連するオプションであるか、またはベルギーの会計基準の観点から、受益者が勤務する会社の株式を直接的または間接的に保有するグループ会社の株式に関連するオプションであること。
ストック・オプションの権利者が個人のコミットメントを遵守しなかった場合、追加の現物給付に課税されます。追加給付への課税は、被雇用者がすでに納付した税額に対し、標準パーセンテージである15%(年+1%)と同7.5%(年+0.5%)の差を乗じた値となります。この場合罰金や延滞利子は適用されません。
ベルギー課税当局によれば、この現物追加給付は、受益者が個人のコミットメントを遵守しなかった年度の所得として課税されます。
オプションが「イン・ザ・マネー」(オプションの行使価格が対象株式の権利付与の提示日の公正市場価格を下回ること)に該当する場合、この権利付与時の割引による行使価格差は定額方式で決定された金額に加算され、課税所得金額を算出します。権利付与時の割引による価格差は、対象株式の権利付与の提示日の公正市場価格から、行使価格を差し引いた差額に相当します(ベルギーの被雇用者社会保障費負担金を控除後‐下記参照)。
さらに、特定の確定保証給付(guaranteed benefit)は、それが確定した年度において、また当該便益の提示後60日目に課税される時点の価値を超過する金額について、追加課税所得の一部となります。
確定保証給付の例としては、オプション行使時の対象株式の価値の一定割合を行使価格とするオプションが挙げられます。
ストック・オプションについて、社会保障費負担はどうなりますか?
1999年1月1日以降付与されたストック・オプションに関しては、原則として、被雇用者の社会保障費負担は以下に基づいて算定されます。
所得税上は、被雇用者の所得の13.07%の社会保障費は控除可能です。社会保障費負担の割引や確定保証給付の適格要件がすべて満たされているかどうかは、しかるべき助言を求めて確認してください。
確定保証給付が付与される場合以外は、オプションの「課税時点の価値」、またはその後のオプション行使時や株式売却時に社会保障費負担を求められることはありません。
ベルギーで勤務する外国企業派遣者のための特例措置はどのようなものですか?
国際的な企業グループからベルギーに一時的に派遣された外国人幹部、または国際的企業グループに属するベルギー企業によって外国で直接雇用され、ベルギーで一時的に勤務する外国人幹部は、一定の条件の下、税制上の特例措置を受けることができます。このような場合、税制上はベルギー非居住者として取り扱われ、ベルギー源泉所得についてのみ課税されます。
被雇用者はどのような場合に外国企業派遣者とみなされますか?
税制上の特例措置を受けるのは、特別な知識と責任が求められる排他的な職務に従事する者となります。外国人研究者や他の外国人専門スタッフ(管理者としての職務に従事するとは限らないが、高度な専門的能力を有し、ベルギーでの採用が不可能ではないにしても非常に困難な者)も同様に、税制上の特別な措置を受けることができます。
税制上の特別な措置を受けるには、外国企業派遣者は次のような条件も満たしていなければなりません。
外国企業派遣者に適用される優遇税制はどのようなものですか?
税制上の特別な措置を受けられる外国人幹部は、税制上ベルギー非居住者として取り扱われ、ベルギー源泉の所得に対してのみ課税されるだけでなく、1983年8月8日の行政通達(Administrative Practice Note)に規定されているように、外国企業派遣者は以下の2つの重要な優遇措置が適用されます。
外国企業派遣者の課税所得はどのように算定されるのですか?
一般原則
上述したように、税制上の特別な措置を受ける外国企業派遣者は、税制上はベルギー非居住者として取り扱われます。非居住者に対する課税は以下となります。
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勤労所得:原則として、非居住の幹部職員は、ベルギー源泉の雇用所得にのみ課税され、税制上の特別な優遇措置により税負担を引き下げることができます。
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不動産:ベルギーにある不動産に対してのみ課税されます。
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投資所得:非居住の幹部職員は一般的に、ベルギー企業により支払われた配当または利子でない限り、投資所得は課税されません。原則として、配当所得の税率は25%、利子所得の税率は15%です。
雇用による課税所得の決定
非課税の企業派遣者手当、およびベルギー国外で行なった業務に相当する給与は、企業派遣者の雇用による課税所得から除外されます。残余の純雇用所得は、ベルギー居住者の課税所得と同じ方法で課税され(同じ税率と課税免税を適用)、同様に他のベルギー源泉所得が加算されます。
雇用者(取締役の場合は会社)負担の費用
ベルギーでの雇用またはベルギーへの派遣により直接的に発生した追加的費用の補填を意図したものである限り、直接(実費の払い戻し)ないし定額払いにより、外国企業派遣者の負担額を雇用者が支払った場合、当該費用は雇用者固有の費用ないし経費とみなされます。当該払い戻しは外国企業派遣者の給与でなく、課税対象の現物給付でもありません。上記の趣旨で「追加的費用」とみなされるのは、ベルギーに居住することにより直接的に生じ、外国企業派遣者が本国で勤務していた場合にかかる通常の費用を超えた部分となります。雇用者は、払い戻しが実際の追加的費用の金額に相応し、外国企業派遣者の必要性を著しく超過した費用および損失を補填するために使われたものでないことを証明しなければなりません。
これら非課税の諸手当は、外国企業派遣者のベルギーへの移動にかかる費用、ベルギーに住居を構えるための費用、ベルギーから他国へ移動する費用など1回限りの費用のほか、ベルギーと本国での住宅費用や生活費の差額の負担、小学校から高等学校までの子供の教育に関連する費用、外国企業派遣者とその家族の年1回の一時帰国費用(航空運賃はエコノミークラスであるのが前提)、本国の持家の借家人が見つからなかった場合の損失、または一般水準の賃料を下回る賃料で貸さざるをえなかった場合の差損、異例の状況(外国企業派遣者またはその家族・近親者の死亡や重篤な疾病など)にかかる旅費、為替差損、税負担の差額補填、外国で就学する子供を呼び寄せる旅費(年2回に限定)など、繰り返し発生する費用も含まれます。
雇用者負担の費用(非課税の派遣者手当)は、外国企業派遣者が、給与のほかに、明確に識別できる個別の経費の払い戻しを受けているか、経費手当が含まれた一括給与を受領しているかで、算定方法が異なります。前者には、所定の純額給与を受け取る外国企業派遣者、本国での税負担と同様の負担となるよう計算された平衡税(hypothetical tax)調整後の基本給与を受け取る外国企業派遣者、本国の所得税と比較した場合の超過税額部分の補填を受ける外国企業派遣者が含まれます。雇用に対する報酬とベルギーでの雇用およびベルギーへの派遣により直接生じる追加的費用の補填部分とを区別せず、給与パッケージの総額を受け取る外国企業派遣者の場合、雇用者は、税務署発行のガイドライン(technical note)に準拠して追加的費用を計算することができます。教育にかかる費用と上記の1回限りの費用(合理的で正当であることが必要)を除き、他の費用(これについても正当性が必要)は、以下を超えない場合に限り妥当とみなされます。
外国勤務に相当する所得(外国勤務報酬の除外)
雇用者負担費用の払い戻しと認められる諸手当を控除した後の報酬総額は、ベルギーで行なわれる勤務に相当する部分と、ベルギー国外での勤務に相当する部分に分割しなければなりません。
ベルギー国外で行なわれた勤務に相当する部分は、幹部職員の課税所得から控除され、したがってベルギーでは課税免除となります。
外国勤務報酬に関する具体的な情報がない場合でも、課税当局は、ベルギーでの勤務に対する報酬と同じように、ベルギー国外での勤務に対しても報酬を受けているものとみなします。この場合、ベルギーで就労した年間日数を分子とし、同一年度またはその年の該当期間にベルギーで就労した日数とベルギー国外で就労した日数の合計を分母とする分数式を年間報酬総額に乗じ、課税所得を算定します。
したがって幹部職員は、ベルギー国外で勤務した日数を証明する必要があります。証拠書類がない場合、裏付け書類のない日数に比例して免税部分が縮小されます。
この点に関し、幹部職員は、税務署が納得するのに充分かつ信頼できる一連の証拠書類を用意することで、以下の2点を同時に証明可能でなければなりません。
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申告する日数を実際にベルギー国外で過ごしたこと
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申告する日数は業務の遂行のために使われていること
税制上の外国企業派遣者の特例の申請ではどのような手続きを踏むのですか?
税制上の外国企業派遣者の特例措置を受けるための手続きは、雇用者の責任の下で行なわれます。雇用者は税務署の「外国局」(Foreign Entities)局長に申請書を提出しなければなりません。この申請は1回限りのもので、ベルギーでの雇用ないし派遣がスタートした日の翌月1日から6ヶ月以内に提出されます。
税務署は、特殊で例外的な事情がない限り、この期間を過ぎた申請書は受理しません。正当化される事情がなくても、一定の条件に該当すれば、税務署は6ヶ月を過ぎた申請書を受理することもありますが、この場合、手続きは申請書が出された翌年に回されます。
申請書は複数の書類で構成されますが、重要なのは、税制上の特例措置を受ける外国企業派遣者の正式な申請書の作成です。この場合、税制上の特例措置を申請する諸条件がすべて満たされていること、雇用者負担費用(申請者が非課税で払い戻しを受ける費用)が正当であるかどうかを税務署職員が検証できる十分な情報を揃えなければなりません。
【翻訳監修】
優成監査法人
公認会計士 霞 晴久
(1998年-2004年 ベルギー在)
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