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2010 年 7月 30 日
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法人税制
   
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概論

どのような事業者に法人税が課税されるのですか?

ベルギーに登記上の住所、主たる施設または実質的な経営管理を行なう場所を有し、ベルギー法に基づき法人格が付与される会社、組合および社団(以下、「ベルギー法人」という)に対し、法人税が課税されます。

原則として、支店(恒久的施設)を通じてベルギー国内で事業活動を行なっている外国法人は、ベルギーの非居住法人税を納税しなければなりません。

法人税率は?

標準的な法人税率は33.99%です(国家財政再建のための付加税3%を含む)。

中小法人は、一定の要件(課税所得が32万2,500ユーロ未満、ベルギー法人の株式の50%超を他の法人によって保有されない等)を満たせば、税率が軽減された超過累進税率が適用されます。

ここでいう超過累進税率は以下の通りです。

  • 課税所得2万5,000ユーロ未満 24.25%
  • 課税所得2万5,000ユーロ以上9万ユーロ未満 31%
  • 課税所得9万ユーロ以上32万2,500ユーロ未満 34.5%

現在、上記の税率に対し、国家財政再建のための付加税3%が加算されます。

課税標準はどのように計算されますか?

一般的に、法人税の課税標準は発生主義で認識され、全世界所得から、控除可能な費用を控除した金額となります(下記参照)。
通常、法人が稼得した所得は、事業所得とみなされます。

原則として、課税対象となる事業所得を獲得・維持するため、課税期間中に費消した事業上の費用は、所得から控除可能な損金とみなされます。さらに、損金として控除するためには、これらの経費は適正な文書によって証拠付けられなければなりません。

したがって、法人税の課税所得は、法人の財務諸表上の利益に、下記のような調整項目を加減算して求められます。

  • 損金算入が制限される費用
  • 国外源泉所得の課税免除
  • 受取配当金の益金不算入
  • みなし利子控除(2007賦課年度より。すなわち2006年12月31日以降を決算日とする事業年度より適用)
  • 支払配当の損金不算入
  • 税務上の繰越欠損金
  • 投資所得控除
  • 特許料所得控除(2008賦課年度より。すなわち2007年12月31日以降を決算日とする事業年度より適用)

キャピタル・ロスとキャピタル・ゲインの課税関係はどうなりますか?

法人税の課税所得の計算上、キャピタル・ロスは、原則として損金算入が認められます。しかしながら、例外として、株式の譲渡から生じたキャピタル・ロスについては、清算により損失が確定した払込資本の未回収額を除き、損金算入が制限されます。

キャピタル・ゲインは、原則として実現時に課税されます。しかしながら、例外として、株式の譲渡から生じた実現キャピタル・ゲインのうち、一定の条件を満たしたものは課税が免除されます。

ベルギーでは、2007賦課年度より、減税措置として、キャピタル・ゲインはすべて「総額」ではなくキャピタル・ロスを控除した「純額」に対し課税されます。未実現キャピタル・ゲイン(会計上認識されるキャピタル・ゲイン)で一定の条件を満たしたものは、一時的に課税が免除されます。

5年以上保有し、税務上の減価償却の対象とされていた有形・無形固定資産の処分により実現したキャピタル・ゲインは、当該資産の処分金額が、全額ベルギーにおける事業活動で使用される新規または中古の減価償却資産(有形および無形)に再投資されることを条件に、課税を繰り延べることが認められます。このように処分対価が再投資される場合、処分時に実現したキャピタル・ゲインは、再投資した資産の減価償却期間に配分され当該期間で課税されます。ただし、建物、船舶または航空機への再投資による課税繰り延べ期間は5年に制限され、これら以外の資産はすべて、再投資による課税繰り延べ期間は3年となります。

損金算入が制限され課税所得に加算される項目は何ですか?

-損金算入が制限される費用

主として以下の場合、費用の損金算入は否認されます。

  • 適切な文書により証拠付けられていないもの。
  • 税務上、控除限度が設けられている(自動車費用、交際接待費、福利厚生費など)もの。
  • 冗費とみなされる場合(独立企業間基準に基づかない費用)。

損金として控除できない費用は課税所得に加算されますが、過年度より繰り越された欠損金があれば当該欠損金と相殺することができます。

-一時差異項目

会計上認識された特定の費用について、税務上債務として確定していない等の理由で損金算入が制限される場合、課税所得に一時的に加算されることになります。しかしながら、以後の事業年度において、損金となる条件が満たされれば、課税所得はその分減算されます。

他方、一定の条件を満たした場合、会計上認識した収益(未実現キャピタル・ゲイン等)に対する税務上の準備金を損金に計上し、課税所得を一時的に引き下げることが認められます。しかしながら、以後の事業年度において、課税免除の要件が満たされなくなった場合、課税所得はその分増額されます。

益金算入が制限され課税所得から控除される項目は何ですか?

-国外源泉所得の課税免除

ベルギー内国法人が、ベルギーが締結する租税条約締約相手国に支店を有する場合、当該外国支店の所得に対し、ベルギーでは課税が免除されます。

-受取配当金の益金不算入

ベルギー内国法人または外国法人のベルギー恒久的施設が、他の内国法人あるいは外国法人の株式を保有する場合、当該法人から受取った配当金の95%について、以下の要件(他の要件もあり)を満たすことを条件に、課税が免除されます。

  • 持株割合が10%以上、または最低出資額が120万ユーロ以上であること。
  • 出資金が会計上財務固定資産に分類されること。
  • 配当金の受益者は、配当金が分配される前最低1年間、引受株式の所有権を保持していたか、あるいは最低1年間の保有について確約していたこと。
  • 課税要件:ベルギー税制よりも著しく有利な税制(一般的に実効税率15%以下)の国の法人からの配当金でないこと。欧州連合(EU)加盟国の一般税制はこの要件を満たすとみなされる。

銀行等金融機関(グループ金融会社含む)、投資法人、金融ブローカー、あるいはその課税所得がベルギーより税制上有利な国に所在する支店の所得のみから成る法人からの配当については、上記の規則は適用されません。

-みなし利子控除制度

2007賦課年度より、ベルギー内国法人および外国法人のベルギー支店は、利益剰余金を含む株主資本の総額に対し一定の利子率で算定したみなし利子を課税所得から控除することにより、資本コストに相当するとみなされる利子に基づく課税の免除が認められます。

この画期的な措置の目的は、株式発行で資金調達する場合のみなし利子控除を認めることで、資金を株式発行で調達している法人と借入で調達している法人との税務上の差別的取扱を解消することにあります。

当該みなし利子控除が認められないのは、以下に示されるように、納税者に既に課税上の特例が認められる場合に限られています。

  • 事業ライセンスが有効期限内のベルギー・コーディネーション・センター
  • 1984年7月31日法適用会社
  • 限定的なコストプラス法で課税されるのが一般的な、オープンエンド型投資法人、クローズドエンド型投資法人、および証券化投資法人
  • 特定の共同資本参加会社
  • 従量(積載トン)税制の恩典を受ける海運会社

2007賦課年度は、みなし利子控除の算定上2005年のベルギー10年国債の平均利子率が適用されます。それ以降の適用利子率は、前年の10年国債の平均利子率を基準に、上限を6.50%として毎年調整(原則として変動幅±1%以内)されます。ただし勅令(Royal Decree)により、当該ルールを逸脱する場合もあります。

2008賦課年度のみなし利子控除の利子率は3.781%、2009賦課年度の同利子率は4.307%に設定されています。中小法人は、基準となる利子率を0.5%だけ増加させることができますが、現行の中小法人に対する投資準備金制度とみなし利子控除制度利子のいずれかの選択適用となります。

法人の事業年度が12ヶ月を超過する場合、またはそれより短い場合、適用利子率は、当該事業年度の合計日数を乗じ、365で除して求めます。「前事業年度」のない新設会社の場合、初年度のみなし利子控除の算定基礎は、設立日における株主資本を用いることになります。

みなし利子控除の算定基礎として、前期末における株主資本の額(資本金および資本剰余金)と、ベルギーGAAP(一般に公正妥当と認められる会計原則)に基づいた事業年度末の利益剰余金の合計額が利用されます。

その上で一定の調整が図られます。すなわち、前期末(または会社設立日)の会計上の株主資本から、以下の項目について、同一事業年度の期末価額を用いて控除しなければなりません。

  • 以下の税務上の純資産価値
    • 自己株式
    • 「資本参加免税株式」の適格要件に該当する財務固定資産
    • いわゆる譲渡可能証券集合投資会社(UCITS。配当金がベルギーの資本参加免税の対象となる投資会社)の持分
  • 法人が外国に恒久的施設(PE:Parmanent Establishment)を所有している場合、当該PEの資産の帳簿価額の純額(外国PEに帰属する出資部分からすでに除外されている上記株式以外)と負債(PEに帰属する出資部分以外)の純差額(プラスの場合)
  • 法人が外国に不動産および不動産に関する権利(租税条約により、ベルギーで課税が免除されるPE帰属の所得で、みなし利子控除の算定上未だ除外されていないもの)を所有している場合、当該不動産の帳簿価額の純額とそれに対応する負債(出資部分を除く)の純差額(プラスの場合)
  • 法人の使用価値を著しく上回る有形固定資産の純帳簿価額
  • 正常な所得を獲得する目的以外のその他の投資の帳簿価額
  • 法人の取締役または清算人、あるいは取締役の配偶者や扶養する子供が使用・占有する不動産に関する権利の帳簿価額
  • 上記を除く資産の再評価益、研究開発費の税額控除額、資本助成金の額

会計上の株主資本の構成要素が事業年度中に変動した場合、プロラタにより上方または下方に調整されます。構成要素の変動は、それが発生した日の翌月1日より反映されます。

ある事業年度のみなし利子控除の控除可能限度額のうち、当該年度において使用されなかった部分は、7年を限度として繰り越すことができます。課税所得の算定上、みなし利子控除は、税務申告書において、繰越欠損金(もしあれば)の相殺より前の段階で実施されます。繰越みなし利子控除の残額を有する法人が、単なる節税目的のみで会社の支配関係を変更した場合、当該みなし利子控除の権利は消滅します。なお、みなし利子控除適用のため、事前の申請(以下「事前ルーリング」)を行う必要はありません。

-特許料所得控除

ベルギー政府は、新規の特許料所得について、所得の80%までの所得控除制度を導入しました。これにより特許料所得の実効税率は6.8%となります。当該特例措置の目的は、ベルギー法人およびベルギーに所在する恒久的施設による特許取得のための研究開発活動、ならびに特許権の保有による積極的な活用を奨励することにあります。この所得控除制度は新規の特許料所得を対象とし、2008年課税年度(2007年12月31日以降に決算日となる事業年度)より適用されます。

特許料所得控除の対象は、以下となります。

  • ベルギー国内外の研究開発センターでの独自の研究開発活動(部分的か全面的かに関わらず)の結果、ベルギー法人または恒久的施設が取得した特許、およびその延長証明。
  • ベルギー法人または恒久的施設が使用許諾を得た特許、またはその延長証明。ただし、ベルギー国内外にある自社の研究センターで、当該特許を使用した製品または製造プロセスに追加の開発を行ったことが条件となります。

ベルギー法人または恒久的施設は、所有する特許、もしくは使用許諾を得た特許を使用して特許製品を製造するか、あるいは特許権者に代わって製造することができます。
若しくは、代替的に、特許の使用許諾を第三者に供与することができます。

控除を受けるため、研究センターには、いわゆる「事業関連性(line of Business)」が認められる必要があります。基本的に研究センターは、単一の事業組織か、自立的に活動できる事業組織の一部門でなくてはなりません。

ベルギー法人または恒久的施設が第三者(関係会社か否かを問わず)に使用許諾した特許から生ずる所得については、当該所得が独立企業間基準に準拠する限り、当該所得の80%の控除が可能となります。

自ら製造するか請負業者に製造させるかを問わず、特許製品の製造のためベルギー法人または恒久的施設が使用する特許については、当該特許を第三者に使用許諾したと仮定した場合に受取る特許料所得の80%の控除が可能となります。

特許料所得の所得控除は、ベルギーの納税者である法人、基本的にはすべてのベルギー内国法人および外国法人のベルギー恒久的施設に適用されます。

実効税率を引き下げるその他の可能性

  • 国外からの使用料所得に対し源泉税が課税されている場合の外国税額控除の適用
  • みなし利子控除(上述)

-税務上の欠損金の繰越控除

税務上の欠損金は無期限に繰り越すことができ、将来の所得から控除することができます。

ただし、欠損金の繰り戻しは認められません。また、欠損金の繰越控除は、関係会社から受け取る異常または対価性の乏しい便益、あるいは秘密口銭(secret commission)の分離課税には認められません。

法人が以下を実施した場合、欠損金の一部または全部の繰り越しはできません。

  • 合併や分割など、特定の無税の組織再編(一部の繰越が制限される)
  • 経済的または財務的な必要性が認められない支配権の変更(全額が繰越不能)

ベルギー法人が、外国支店の損失をベルギー国内源泉所得と相殺する場合、特別な規則が適用されます。原則として、外国支店の税務上の欠損金はベルギー本店の所得から控除できますが、欠損金の二重使用となる場合、使用済欠損金を益金として戻入処理しなければなりません。

-追加的投資所得控除

環境保全のための研究開発投資、省エネ投資、セキュリティー設備関連の特許と投資のために、ベルギーで使用される有形および無形固定資産を新規に購入する法人は、一定の条件に従い、当該投資資産の取得価額あるいは投資価値の一定割合について、課税所得から追加控除することができます。

2008賦課年度の控除率

  • 基礎控除率:0%(または包装材リサイクルへのための投資については3%)
  • 特許、研究開発および省エネ関連投資の控除率:13.5%
  • 研究開発費の段階的控除:20.5%
  • 安全・セキュリティー関連投資:20.5%(中小法人のみ適用可能)
  • 海運業の特定の投資:30%

-株式の実現キャピタル・ゲイン

株式から生じるキャピタル・ゲイン(純額)は、実現時に受取配当金の益金不算入制度適格株式であることを条件として、課税が免除されます。

この免税措置は、受取配当金の益金不算入制度とは異なり、持株比率や出資価額、保有期間あるいはベルギーGAAP上の計上区分に関わらず認められます。

特定の場合、株式から生じるキャピタル・ゲインは、以前に計上された同一株式から生じたキャピタル・ロスで、損金に計上された金額を超過する部分に限り課税免除となります(何故なら、1991年より、株式から生じたキャピタル・ロスは損金算入の対象となっていないからです)。

配当金、利子、使用料の源泉税とはどのようなものですか?

-配当金

原則として、ベルギー法人の支払配当金には、25%のベルギー源泉税が課税されます(一定の条件を満たせば、15%等の軽減税率が適用される)。

1990年7月23日付EU親子会社指令がベルギーの国内税法で批准され、配当受益者が以下に該当する場合、原則としてベルギー内国企業より分配された配当金の源泉税が免除されます。

  • ベルギーまたは他のEU加盟国で設立された法人であること。
  • 配当金を支払うベルギー法人の資本の15%以上(2007年1月1日より)を直接保有していること。この持株比率は、2009年1月1日より分配される配当金より、最終的に10%まで引下げられます。
  • 連続して1年以上保有しているか、または1年以上の保有を確約していること。
  • 会社が適法な会社形態で設立されていること(クロス・ボーダーの事業活動に関して)

さらに源泉税は、ほとんどの場合、EU親子会社指令を適用するか否かに関わらず、適用される租税条約に準拠して軽減されます。

配当源泉税の課税免除および軽減税率適用には書面による手続きが必要となります。

-利子

原則として、利子の支払いには15%のベルギー源泉税が課税されます。ただし、非居住者に支払われたベルギー記名式国債の利子は源泉税が免除されるなど、ベルギー国内法では数多くの例外規定が置かれています。

EU利子・使用料指令を批准するベルギー税法に準拠し、関係会社間で支払われた利子または使用料は原則として、源泉税が免除されますが、この場合、関係会社はいずれもEU域内で設立され、かつ以下の条件を満たさなければなりません。

  • 一方の関係会社が他方の関係会社の株式の25%以上を連続して1年以上直接または間接に保有していたこと。
  • 第三のEU域内法人が、中断なく、1年以上2社それぞれの資本の25%以上を直接または間接に保有していたこと。
  • 支払い時点で保有期間が12ヶ月に満たなかった場合、親会社は12ヶ月の保有期間の維持を確約すること。
  • 会社が適法な会社形態で設立されていること(クロス・ボーダーの事業活動に関して)

利子源泉税の課税免除および軽減税率適用には書面による手続きが必要となります。

-使用料

ベルギー国内税法は、使用料を「動産の賃貸、使用または使用許諾(concession)から得られる収入」と幅広く定義しています。「使用許諾」についてベルギーの税務当局は、所有権が法的に移転しないことを前提とし、対価と引き換えに、有形・無形資産を使用・収益する権利の付与に関する合意とみなしています。

課税免除の特例が適用されない限り(例:受取人がベルギー法人であれば源泉税は免除)、原則として、当該所得は15%の源泉税が課税されます。

クロス・ボーダーの使用料については、租税条約によってより低い源泉税率が適用され(例:ベルギー・米国租税条約では源泉税率は0%)、EU利子・使用料指令(上記「利子」参照)に準拠したベルギー税法の適用により源泉税率が引き下げられる場合があります。使用料源泉税の課税免除および軽減税率適用には書面による手続きが必要となります。

なお、スイスとの取引に関し、EU親子会社指令およびEU利子・使用料指令に準拠した免税措置と同様の取り扱いを受けることができます。

使用料と利子は損金に算入されますか?

支払われた使用料や利子は、費用の損金算入に関する基本的なルールが適用されます。厳密に言えば、他国に見られるような過少資本規制や、アーニング・ストリッピング・ルールはベルギー法人が支払う利子や使用料には適用されません。

しかしながら、以下の場合、ベルギーの乱用防止措置が適用されます。

  • 関係会社2社間で支払われる利子または使用料が、独立企業間基準を満たさない利子率または料率で決定されている場合。
  • タックス・ヘイブン国(ベルギーよりも著しく有利な税制を有する国)の居住者に支払われる利子または使用料で、当該支払いが独立企業間基準を満たし、かつ真正の取引に基づくものであることが証明できない場合。
  • 借入金の見返りとして支払われる利子の受益者が所得税を全く課税されないか、ベルギーの所得税制よりも相当有利な所得税制の適用を受ける場合で、公募された社債を除く借入金の総額が、ベルギー内国法人の税引後剰余金(課税年度の期首残高)および払込資本金(期末残高)の合計の7倍を超える部分に相当する利子については、ベルギーの税制上損金算入が認められません。

配当金は損金に算入されますか?

ベルギーの税制上、支払配当金は損金に算入されません。

 

租税条約

「租税条約」とは何ですか、外国投資家にはどのようなメリットがあるのですか?

ベルギーは、諸外国(他の租税管轄圏)と、二重課税を防止し排除するための条約を締結しています。例えば香港と締結した二重課税防止条約では、ベルギー法人が、アジアのビジネスの玄関口としての香港を積極的に活用できるように、配当源泉税率が0%と定められています。マカオとの租税条約でも、配当源泉税率0%となっています。同じく米国との租税条約においても、配当源泉税率は0%です。

二重課税防止条約の主たる目的は、締約国間の国際取引で生じる所得に対する課税権の割当て、現地課税の制限、二重課税を防止・緩和するための税負担の軽減等です。これらの条約のほとんどは、経済協力開発機構(OECD)モデル条約(OECD Model Double Taxation Convention on Income and on Capital)に準拠しています。

ベルギーと租税条約を締結している国はどこですか?

www.flandersinvestmentandtrade.comを参照してください。 

 

移転価格税制

移転価格に適用されるルールは何ですか?

移転価格税制の考え方は、同一企業グループに属する法人は「独立企業間基準(arms length)」に準拠し事業取引を行わなければならないというルールに基礎を置いています。すなわち、関係会社間取引は、資本関係のない企業間の同種の取引で一般的に用いられる価格や条件と同等でなければなりません。

独立企業間基準を遵守しなかった場合、税務上どのような影響がありますか?

ベルギー内国法人またはベルギー支店が、独立企業間基準に基づいた事業取引を行っていないことが判明した場合、ベルギーの税務当局は、一定の条件に従って以下の措置を講じることができます。

  • 関係会社へ移転した所得について課税所得に加算(例えば、当該永久差異項目が税務上の欠損金等と相殺できるような場合であっても)。
  • 関係会社から受領した異常ないし無償の便益がある場合、当該金額を上限とする、税務上の欠損金(またはその他の控除可能項目)の控除を否認。

実際には、移転価格が不当であるかどうかは、当該取引の事実と状況によります。

移転価格が妥当なものかどうかは、法人はどのように確かめられますか?

ベルギー課税当局は、移転価格ポリシーを裏づける文書を作成しておくよう納税者に薦めています。裏付け文書は、関連性があり、包括的で信頼できるものでなければなりません。

さらに、納税者と潜在的投資家は、価格に関する取り決めが独立企業間基準に準拠しているかどうかについて、片務的/二国間/多国間の移転価格に関する事前確認制度(advance transfer pricing agreement)、あるいは事前ルーリングを、ベルギーの連邦課税当局に申請することができます。

連邦課税当局は、独立企業間基準に従った取引であることを証明する文書の関連性、包括性、信頼性を審査する際、どのような要因を考慮しますか?

ベルギー連邦課税当局は、OECDが公表している移転価格ガイドラインを採択しています。当該ガイドラインは、納税者が以下を特定する文書を作成し、維持すべきであるとしています。

  • グループの会社形態と事業活動
  • 関連する取引の性質、条件(価格を含む)および取引量
  • 移転価格が独立企業間基準に準拠していること。法人は、関係会社との取引価格が、独立した第三者との取引価格と同等であることを証明できなければなりません。

 

国内配当源泉税の免除

新しい国内配当源泉税免除制度はどのようなものですか?

新たに導入された国内配当源泉税免除制度は、EU25ヶ国およびスイスを対象としたEU親子会社指令を、ベルギーと租税条約を締結している国々にも適用するものです。

適用範囲はどうなりますか?

国内配当源泉税免除を受けられるのは、以下の条件を満たす法人株主です。

  • 条約締約国の居住者であること。
  • 連続した12ヶ月以上、ベルギー子会社に15%以上資本参加していること(2009年現在は出資比率10%以上)。*
    *スイスに関しては、保有期間2年以上で25%以上の資本参加が必要となります。

親会社およびベルギー子会社は、以下の条件を満たさなくてはなりません。

  • EU親子会社指令の付則に列挙される会社形態であること、または
  • ベルギー法に準拠して設立され、法人税が課税される会社であること

上記に加え

  • 本店、本社または管理組織がベルギー国内にあること

どのような仕組みになっていますか?

欧州への投資の拠点としてフランダース地方を選択した場合、条約締結国の法人投資家は、配当源泉税が免除され、かつ分配額の上限なく、欧州を源泉とする所得を本国に送金することができます。

フランダースに所在する持株会社が法人株主に支払った配当金は、この新制度で源泉税を免除される一方、当該持株会社が計上した株式の実現キャピタル・ゲインは、原則として法人税の課税が免除されます。これによりベルギーおよびフランダース地方は、持株会社にとって魅力的な立地となります。

フランダースにおける税制上の優遇措置にはどのようなものがありますか?

上記に加え、フランダースの(持株)会社が享受できる優遇措置には以下のようなものがあります。

  • 出資に対する資本登録税の免除。
  • 年次財産税(wealth tax)または資本税の免除。
  • 株式のキャピタル・ゲインの非課税。
  • 適格受取配当金について95%の益金不算入制度。
  • 過少資本規制の回避。
  • CFCルール(タックスヘイブン対策税制)が適用されない。
  • 持株会社の活動に関連する利子費用は、法人税法上損金に算入される。
  • EU利子・使用料指令の適用、米国との新規の二重課税防止条約等、様々な利子源泉税の課税免除が可能。
  • みなし利子控除(フランダースで設立された法人および外国法人のフランダース支店は、フランダースでの出資相当額についても、みなし利子控除の対象とすることができる)。
  • すべての情報が準備されていれば、1週間以内でフランダースに会社を設立することができる。

 

支店VS子会社

-支店の課税

外国法人の欧州本部として支店を設立する場合、税制上の主なメリットは何ですか?

支店は、所属する外国法人と同一の法人格を有するとみなされます。したがって、支店設立には以下のような税制上のメリットがあります。

  • 法人の場合の配当源泉税と異なり、支店利益の外国法人への送金には「支店レベル」での課税はない。
  • 外国法人のベルギー支店は、自らの裁量で、永続的にみなし利子控除(2008賦課年度の資本コスト率3.781%)の恩典を享受することができる。

支店を設立する場合に税制上のデメリットはありますか?

ベルギー支店は原則として、ベルギー内国法人と同じように取扱われます。ベルギー支店が外国法人と同一の法人格の一部とみなされることには、以下のようなデメリットがあります。

  • 支店から外国本社への支払い(例:利子、使用料およびマネジメント料)は、原則として損金に算入されません。
  • ベルギーの租税条約ネットワークが適用されない。原則として、支店を設置する外国法人の居住地国の租税条約が適用されます。
  • 支店を設置する外国法人がEU域外法人である場合、EU親子会社指令は適用されません。

-子会社の課税

外国法人の欧州本部として子会社を設立する場合、税制上の主なメリットは何ですか?

2006年度より、0.5%の資本登録税が廃止された点にご留意ください。

子会社設立には次のような税制上のメリットがあります。

  • 親会社に支払われる利子、使用料またはマネジメント料による、(課税所得を引き下げる)税制上のレバレッジ効果
  • 広範囲のベルギー租税条約ネットワークの利用
  • EU親子会社指令またはEU利子・使用料指令の適用により、最も一般的なタイプのベルギー法人は、親会社または子会社とみなされます。したがって、ベルギー法人が他のEU内国法人に支払う配当金や利子・使用料に対しては、源泉税が免除されます。

 

ベルギーの事前ルーリング制度

-概要

2002年の法人税改正の一環として、ベルギーは新事前ルーリング制度(New Ruling Practice)を導入しました。これは同年の改正の重要な主眼のひとつと言えます。

「新」事前ルーリング制度の主な骨子は以下の通りです。

  • ほぼすべての税務上の問題点についてルーリングが取得可能。
  • 新しいオープンな環境でケース・バイ・ケースのルーリングが取得可能。
  • 投資家にとって、事前の法的確実性が担保される。
  • 国際的な法規則に準拠する。
  • 潜在投資家および既存の投資家双方に適用される。
  • 原則5年間有効だが、必要に応じ更新可能。
  • 経済実態が重視される。
  • 片務的、2国間ないし多国間のルーリングが可能。

2005年1月1日より、ルーリング当局は新たに独立した組織となり、充実したスタッフが活動しています。当局へは、電子メールdvbsda@minfin.fed.beまたは電話+32 (0) 2 579 38 00で問い合わせ可能です。

事前ルーリング制度が有効に機能していることは、1日に複数件の申請があることからも明らかです。ルーリング当局は、建設的で実務的な姿勢で対応しています。例えば匿名でも事前相談を受け付けるだけでなく、言語は英語でも対応可能です。申請から平均して3ヶ月以内にルーリングが付与されます。
さらに税務署の改革も進められ、外国投資家のためのヘルプデスクを設け、クライアント重視のサービスを提供しています。ヘルプデスクには、albert.wolfs@minfin.fed.beおよびbart.adams@minfin.beからアクセスすることができます。

さらに、すべての連邦税および以下のような中央で徴収される地方税に関してルーリングを取得することができます。

  • 法人税
  • 個人所得税
  • 付加価値税
  • 関税
  • 資本登録税

次の事項についてもルーリングを取得できます。

  • 移転価格
  • 減価償却および税務上の引当金
  • 控除(損金)対象となる経費
  • 受取配当金の資本参加免税
  • 恒久的施設とみなされる条件
  • 税制上の透明性
  • 組織再編
  • 雇用者の適切なコスト
  • 10年毎に更新される「従量(積載トン)税」ルーリング
    • 船舶の運用(第三者に代わる船舶運航を含む)および関連業務から生じる一定額の課税所得の決定について事前ルーリングを申請することができます。
  • 課税所得の下方修正
    • ベルギー税法が新たに導入した条項は、関係会社との取引から生じた所得でなければ、ベルギー法人が実現しなかったはずの所得には課税しないと規定しています。一般的に、多国籍企業グループの傘下にある法人のコスト構造(結果としての所得水準)は独立した事業組織の場合とは異なり、所得は通常高目に計上されます。このような所得の差異は、必ずしも個々の事業体が果たす機能や負担するリスクに基づくものではなく、それゆえ独立企業間基準に従えば、ベルギーに所在するグループ法人に帰属させるべきではありません。このような考え方に基づき、税法の新しい規定は、OECDモデル租税条約第9条の対応的調整と同様、ベルギーの課税標準の片務的調整を認めています。ここでは「過剰所得」は外国の関連法人の所得の一部となるというのが基本的な前提となります。所得のどの部分が関係会社との取引により生じたか(その結果、ベルギーで非課税の部分)については、ベルギーのルーリング当局と合意する必要があります。

事前ルーリングについては、匿名情報の要約版がウェブサイトで公表されます(www.fisconet.fgov.be)。 

-現行の優遇税制への適用

ベルギーはこれまで、ディストリビューション・センターやサービス・センター等、特殊な事業形態および当該組織の外国人従業員を対象とした優遇税制を導入してきました。

ディストリビューション・センターを対象とした優遇措置は1994年11月30日付の税務通達(circular letter)で公表され、サービス・センターを対象とした特別税制は、ベルギーの税務当局発行の1996年7月26付の税務通達で詳細が示されていました。いずれの通達においても、これらの優遇措置の適用を望む納税者に対し、標準化された厳密なアプローチを採用していることが特徴的でした(許容された活動から生じる税務上の収益の標準化された計上方法等)。

これらの制度は2005年末日をもって廃止となり、代って設けられた新しい事前ルーリング制度により、個別のニーズに即応した方法で同様の結果を得ることができます。

新しい事前ルーリング制度は、シェアード・サービス・センターやディストリビューション・センターにどのように適用されるのですか?

シェアード・サービス・センターやディストリビューション・センターの移転価格はコストプラス方式で事前ルーリングを取得することができます。ただし事実と状況に応じて、立替経費など特定のコストはコストプラス方式から除外されます。

さらに、関税や付加価値税など他の税目で事前ルーリングが取得できる場合もあります。

  • 輸入品の関税価額から特定のコストを除外できるかどうかの事前ルーリング
    例えば、
    • 使用料
    • 購入手数料
    • 延滞利子
  • 物品の分類や特恵関税率の使用可能性に関する確実な情報を輸入業者に与えるための拘束的関税情報(BTI)または拘束的原産地情報(BOI)に関する事前ルーリング

-事前ルーリングの一層の適用

ベルギーの新しい事前ルーリング制度を利用することで、これまで例えばインフォーマル・キャピタル・ルーリング制度やコーディネーション・センターが提供していたものと比べて、格段に有利なビジネス戦略を合法的に立案することができます。新しい事前ルーリング制度は、EU法規の枠内で、ケース・バイ・ケースで弾力的に運用されています。


【翻訳監修】
優成監査法人 
公認会計士 霞 晴久
(1998年-2004年 ベルギー在)


更新日 07/07/2010 |  この記事を印刷する |  この記事を送信する トップに戻る
 
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