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このセクションでは、フランダースで事業を開始する手続きの概要を説明します。
事業開始に必要な手続きのほか、資金調達方法、不動産の選び方、データ保護とプライバシーの確保など実務面も取り上げます。
フランダースでの支店設立
外国法人が本国においてどのような手続きをしなければなりませんか?
取締役会決議
外国法人が支店を設立するには、外国法人の取締役会(または当該会社の設立準拠法に従った執行機関)が支店開設の決議を正式に採択しなければなりません。さらに、ベルギーで支店を運営し、第三者との取引や支店活動に関する法的手続きにおいて会社を代表する支店代表者(legal representative)を選任しなければなりません。
公正証書とアポスティーユ書類
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取締役会決議:決議には、当該外国法人の取締役会の署名が必要です。その後直ちに、本店所在地国の公証人が各取締役の署名を認証しなければなりません。
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会社定款:外国法人の定款の謄本は、公証人により認証されたカンパニーセクレタリー(会社秘書役)の宣誓供述書(affidavit)を添えて提出します。
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公証人は、以下の書類を認証します。
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さらに上記の各書類は、アポスティーユ(1961年10月5日のハーグ条約により国際的に認められた公式な印章)付きの謄本を発行する所轄官庁に提出する必要があります。しかしながら、本店がハーグ条約締約国に所在する場合は、アポスティーユの使用だけでかまいません。ハーグ条約が適用されない場合、上記の書類は現地のベルギー領事館またはベルギー外務省(Belgian Ministry of Foreign Affairs)で認証を受けます。
フランダースではどのような手続きを踏むのですか?
書類のオランダ語への翻訳
上記書類の原本が外国語で作成されている場合は、書類の宣誓翻訳(sworn translation)が必要です。個別財務諸表と連結財務諸表の翻訳は、宣誓翻訳でなくても構いません。
ベルギー国立銀行への財務諸表の提出
外国法人の直近の財務諸表および連結財務諸表(該当する場合)をオランダ語に翻訳し、ベルギーの中央銀行であるベルギー国立銀行に提出しなければなりません。その後、財務諸表および連結財務諸表(該当する場合)が正式に提出されたことを確認するベルギー国立銀行の証明書を、商業裁判所登記事務所に提出します。
この要件は、上場非上場を問わず適用されます。
商業裁判所の地方登記事務所への書類提出/ベルギー官報への取締役会決議の公告
上記の翻訳書類および原本は、その要約を添え、支店が設立される地方の商業裁判所登記事務所に提出されなければなりません。これらの書類はベルギー官報(Belgisch Staatsblad)の付録で公告されます。
法人登録番号の取得
ベルギーで事業活動を行なう者は、企業局(<蘭>Ondernemingsloket)を経由して、Crossroads Bank for Enterprises(<蘭>Kruispunbank voor Ondernemingen)と呼ばれる法人データベースに登録しなければなりません。この手続きは、従来の商業登記所での企業登記手続きに代わり導入されています。
Crossroads Bank for Enterprises(CBE)に登録した支店には、法人登録番号が付与されます。この番号は、事業者の通信文、書類およびインボイスに記載されなくてはなりません。
支店の場合は、代表者の適正な経営能力が証明されない限り、CBEに登録することはできません。したがって、代表者の卒業証明書や職務経歴書など、基本的な経営知識の証明書を取得する必要があります。この手続きには時間のかかる場合がありますが、支店を開設する外国法人(またはその親会社)が中小企業ではないこと(従業員数50名以上、売上高700万ユーロ超または総資産額が500万ユーロ超過)を証明できれば、手続きを省略できます。この点に関し、外国法人またはその親会社の宣誓供述書があれば充分です。
付加価値税識別番号の申請
支店がCBEに登録された時点で、ベルギー付加価値税(VAT)番号の取得を申請することができます。原則として、ベルギーのVAT番号はCBEの法人番号と同じです。フォーム604Aが提出された時点で、VAT当局により当該VAT番号が有効となります。フォーム604Aには代表者の署名が必要です。ただし、署名の認証を受ける必要はありません。
VATは一般売上税と類似していますが、輸入関税その他の賦課金ではありません。原則として、ほぼすべての事業者が顧客にVATを課税することが義務付けられており、事業者はVAT番号を取得しなければなりません。なお現在、VAT番号を取得する必要がない会社の例として、保険会社があります。
VAT番号は欧州連合(EU)全域で統一されていますが、VAT率は国によって異なっています。VAT税率は、販売される物品、または提供されるサービスの種類により異なります。ベルギーの場合、標準的なVAT率は21%ですが、特定の状況下では0%、6%または12%の軽減税率が適用されています。支店がその顧客に課税するVATは、国庫に納付しなくてはなりません。しかしながら、その一方で、顧客から受領したVATから仕入業者に支払ったVATを控除することができます。したがって、VAT番号を取得している支店は、支払ったVATを控除することで、その分仕入費用を圧縮することができます。
事業の開始
上述したように、フランダースに支店を開設する外国企業はすべて、第三者との取引、および支店の事業活動の法的手続きのために、会社を代表する権限を与えられた人物を任命しなければなりません。この人物を支店の「代表者(legal representative)」といいます。支店の代表者は、ベルギー国民やベルギー居住者でなくともかまいません。
支店代表者は、会社から与えられる権限に加え、先に述べた開示手続きのすべてを実行することが法律により義務付けられています。
支店代表者はベルギー企業の取締役と同じ法的責任を負うことに留意が必要です。
フランダースでの支店設立に関する補足情報
フランダースでの支店設立にかかる費用はどのくらいですか?
法務や税務の専門家に支払う報酬に加え、支店設立には次のような費用がかかります。
フランダースでの支店設立にかかる時間はどのくらいですか?
必要な書類とその翻訳がすべて整っており、諸手続きが当局によって円滑に進められるとして、通常1ヶ月程度かかります。支店設立のための手続きの完了にかかる所要時間は、主に翻訳作業の時間に左右されます。宣誓供述書の認証とアポスティーユの手続きも所要時間に影響します。
CBEへの登録は、商業裁判所登記事務所への書類提出から数日以内で完了します。CBEに登録した時点から支店の事業活動を開始することができます。ただし、支店代表者の経営能力を証明しなければならない場合や、労働許可証またはプロフェッショナル・カード(職業<自営>許可証)を取得する必要がある場合は、これらの申請の処理にかかる時間も考慮しなければなりません。
VAT当局における登録は、申請書の提出から通常3週間ほどかかります。
支店開設の場合、ベルギー官報への公告には数週間かかることがありますが、事業活動は公告日前から開始可能です。
法人名を自由に決めることはできますか?
支店は独立の法人ではないので、支店を開設する法人名で営業しなければなりません。
事業を始めるにあたり、政府による何らかの統制はありますか?
銀行業、保険業、旅行代理業、製薬業、放送事業など特定の業界を例外として、事業開始にあたり、政府認可や事業許可を事前に取得する必要はありません。
法人書類は何語で作成するのですか?
支店は、言語使用に関するベルギーの規則に従います。法律により義務付けられる書類はすべて、支店の登記事務所が所在する地方に準じ、ベルギーの公用語(フランス語、オランダ語、ドイツ語)のいずれかで作成しなければなりません。支店がフランダースに所在する場合、法人書類はオランダ語で作成されることになります。登記事務所がブリュッセルにあれば、オランダ語かフランス語のいずれか、または両方で作成することもできます。
事業活動中に行なうべき手続き
支店は、その事業活動期間中、支店を開設した外国法人が行う決定で公共の利益に関わるもの(すなわち、設立証書や定款、会社の商号、本店所在地、取締役の氏名、本社の清算や破産、支店の閉鎖等に関する変更)はすべて登録し、公表しなければなりません。また、ベルギーの会計基準に準拠した会計記録を保持しなければなりません。ただし支店の年度決算を公表する必要はなく、支店を開設した外国法人の会計記録だけを登録し公表します。親会社の会計記録は、自国の基準に従って監査を受け、証明されなくてはなりません。なお、これらの書類が外国語で記載されている場合は、オランダ語に翻訳する必要があります。
どのような人物を支店の代表者に指名すればよいのですか?
支店の代表者はベルギー国民でなければならないという法規定はなく、国籍要件もありません。支店の代表者はベルギー居住者でなくともかまいません。ただし、労働許可に関する規則について考慮する必要があります。なお、支店の代表者は支店の日常の業務執行が期待され、すべての公的書類に署名しなければならないため、ベルギー居住者であるのが望ましいといえます。
フランダースでの子会社設立
外国投資家がフランダースに子会社を設立する場合はどのような手続きが必要ですか?
はじめに
ベルギー会社法は複数の会社形態を認めていますが、国際的なビジネスにおいては株式会社(naamloze vennootschap、略NV)および有限会社(besloten vennootschap met beperkte aansprakelijkheid、略BVBA)が最も便利な会社形態です。
ただし、会社設立時に必要とされる法的手続きは会社形態にかかわらず類似しています。すなわち、どの会社形態でも設立手続きは同様で、以下の10のステップにより構成されています。これらの手続きについて、会計事務所のサポートを受けることが可能です。
1. 会社設立証書(incorporation deed)の作成
2. 事業計画の策定
3. 銀行の別段預金口座への資本金の預け入れ
4. (現物出資の場合)財産鑑定評価報告書の作成
5. 公証人による会社設立証書の認証
6. 会社設立証書の登記
7. ベルギー官報に公告する書類の提出
8. 法人登録番号の取得
9. VAT識別番号の申請
10. 事業活動の開始
会社設立証書の作成
会社設立証書は、株主の決定に基づきベルギーの公証人が作成しなければなりません。会社設立証書には特に、会社を設立する株主の詳細(氏名や住所)、各株主の出資額を明記します。株式会社を設立するには2名以上の株主(発起人)が必要です。通常、外国親会社が1株を残してすべての株式を保有し、会社の上級経営者の1人が残りの1株を保有するのが一般的です。このような場合、外国親会社は、会社設立証書において、設立者の法的責任を全面的に負うという趣旨の宣誓を行うのが通例です。こうすることで、1株だけを保有する上級経営者に責任が及ぶことはありません。会社設立証書には、会社を統治する基本規則を定めた定款(<蘭>statuten)も含まれます。
取締役は会社設立時に選任されます。
事業計画の策定
新しい法人組織は、設立から2年間の事業計画を策定しなければなりません。これについてはベルギーの会計士の助力を得ることができます。事業計画には、事業を遂行するため株主から調達する資本金額が充分であるかを説明するバランスシートの要約版が含まれます。事業計画は公表されませんが、会社設立証書を作成した公証人の下で保管されます。設立日から3年以内に事業が破産した場合、発起人が、設立時の資本金を十分に調達できなかった責任を負うべきかどうか、裁判所が事業計画を調査する場合があります。場合によっては、破産した会社の負債について、発起人が責任を負うことがあります。なお、支店の場合は事業計画を策定する必要はありません。
銀行の別段預金口座への資本金の預け入れ
金銭出資の場合、会社設立証書の作成に先立ち、「設立中」の会社名義でベルギーの銀行に口座を開設し、株主がそれぞれの株式の払い込み額を預け入れなければなりません。この口座は、会社が設立されるまで一時的に「拘束」されます。または設立されなかった場合には3ヶ月間拘束され、その後、設立発起人候補者に払い戻されます。銀行は、払い込み資本金が別段預金口座に預金されていることを確認する保管証明書を発行します。この証明書は会社設立証書の作成日に公証人に交付されなければなりません。会社設立後、ベルギーの公証人は、商業裁判所登記事務所に公正証書を提出した上で、銀行に会社が設立されたことの証明書を送付し、預け入れられていた資金の拘束を解除することに同意します。ベルギーの銀行は以上の手続きに精通しています。
財産鑑定評価報告書の作成
株主は、現金以外の現物資産で経済的価値のあるもの(不動産、他の会社の株式、一定金額の支払い請求権等)を会社に出資することもできます。この場合、監査人は、財産鑑定評価報告書を発行しなければなりません。同報告書には、資産の種類と適用された評価方法が記載されます。さらに発起人株主は、現物出資資産が会社の持分の中に含まれている理由、あるいは、監査人による財産鑑定評価報告書の所見に同意できない場合、その理由を述べた報告書を作成しなければなりません。いずれの報告書も、会社設立証書の作成日に公証人に交付されなければなりません。
これらの報告書は、会社設立証書と併せ、公証人が商業裁判所登記事務所に提出します。
公証人による会社設立証書の認証
会社設立証書は、発起人とベルギーの公証人が実施する公証手続きにおいて作成されなくてはなりません。会社設立証書が公証人の面前で作成される際、発起人株主は実際に立ち会うか、または代理人を立てなくてはなりません。代理人を立てる場合には、委任状を用意し、会社設立証書に添付します。代理人の署名は認証を受ける必要はありません。
会社設立証書の登記
会社は、登記した事務所(本店)がある裁判管轄区の商業裁判所登記事務所に会社設立証書を提出した日をもって、株主とは別の法人格を取得します。この書類提出は、会社設立証書を作成したベルギーの公証人が行ないます。公証人は、法律に基づき作成から15日以内に会社設立証書を提出しなければなりません。原則として、法人格を取得するまではいかなる取引(土地建物のリースや資産の購入等)も行なえません。しかしながら法人格を取得する前でも、1名または数名の人物が「設立中」の会社に代わり取引を実行することは可能です。
ベルギー官報に公告する書類の提出
ベルギー官報に公告するため、会社設立証書を提出する必要があります。
法人登録番号の取得
会社は、Crossroads Bank for Enterprises(CBE)に登録するまでは事業活動を開始することはできません。CBEへの登録は、登記事務所のある司法管轄区で行ないます。
これまで見てきたような条件以外にも、例えば、マネージング・ディレクター等の経営の権限を持つ者の経営能力の証明も要求されており、これを満たさなければ、会社はCBEに登録することはできません。したがって、経営者の卒業証明書や職務経歴書など、経営の基本的知識の証明書を取得する必要があります。この手続きには時間がかかる場合もありますが、会社(またはその親会社)が中小企業ではないこと(従業員50名以上、売上高700万ユーロ超、バランスシート合計額で500万ユーロ超)を証明できれば、手続きを省略できます。この点に関し、外国法人またはその親会社の宣誓供述書があれば充分です。
VAT識別番号の申請
原則として、子会社も現地のVAT課税当局に登録しなければなりません。
事業開始
株式会社(NV)の経営は、3名以上で構成される取締役会により執行されます。ただし、会社の株主が2名の場合は、取締役の最低人数も2名まで減らすことができます。日常の業務執行権限は、取締役会から、取締役(通常はマネージング・ディレクター、オランダ語でgedelegeerd bestuurder)またはその他の者(一般的には会社の従業員であるジェネラル・マネジャー、オランダ語でalgemeen directeur)に委任することができます。日常の業務執行者は、日常の業務執行において会社を代表します。
有限会社(BVBA)の経営は1人以上の業務執行役が行ないます。
フランダースでの子会社設立に関する補足情報
フランダースでの子会社設立にかかる費用はどのくらいですか?
支店の場合とは異なり、フランダースで子会社を設立する場合、翻訳費用も認証手続きの費用もかかりません。ただし、会社設立証書を作成する公証人には、約1,500ユーロの報酬を支払わなければなりません。その他、公正証書の要約をベルギー官報に公告する費用(214.53ユーロ、VAT込み)、CBE登録・印紙税(71ユーロ、VAT非課税)がかかります。資本税は2006年1月1日をもって廃止されています。
フランダースでの子会社設立にかかる時間はどのくらいですか?
株式会社でも有限会社でも、短期間で設立することができます。政府認可は不要で待機期間もありません。外国投資家が定款を承認して、銀行口座を開設し、事業計画を策定済みであれば、数日で設立できます。しかしながら、労働許可に関する規制や経営能力の証明書は、設立を遅らせる要因となる場合があるので、注意する必要があります。
会社商号は自由に決められますか?
会社商号の選択は原則として自由です。ただし、混同を防ぐためにも、他の会社商号と明確に区別できる商号を選ぶ必要があります。事前に商号を確認することをお薦めします。商号の確認はベルギーの公証人が行なうこともできます。
事業を始めるにあたり、政府による何らかの規制はありますか?
原則として、会社設立に先だってベルギー政府当局に書類を提出する必要はなく、政府から認可を受ける必要もありません。
しかしながら、銀行業、保険業、製薬業、飲食業など、規制対象の事業活動を営む計画がある場合は、政府当局から事前に認可を受ける必要があります。
法人書類は何語で作成するのですか?
会社設立書類に使用する言語は、子会社の登記事務所の所在地によります。フランダースではオランダ語、ブリュッセル首都圏ではオランダ語かフランス語です。会社が複数の事業所を異なる言語地域に置く場合は、各地域の言語使用規則に従います。
ベルギー国立銀行への年度財務諸表の提出
ベルギー企業は、ベルギー会計法を遵守し、すべての会計記録を保持しなければなりません。さらに、すべての事業活動について年度財務諸表を提出しなければなりません。これらの報告書に記載しなければならない財務情報に関しては、詳細な規則が定められています。
詳しくは会計士か弁護士に相談することをお薦めします。
不動産について
新規事業のため不動産を取得するときに考慮すべきことは何ですか?
新たな事業を立ち上げる会社は、建物の賃貸(リース)、購入、または建設のいずれかを選ぶことになります。ほとんどの中小企業は、自らの必要に応じたスペースを賃貸し事業を開始します。一方、建物を購入する場合の利点のひとつは、建物の取得原価が投資優遇措置を受けるための「投資総額算定基準」の一部となることです。他方、建物を購入した場合、フランダースでは購入価格の10%、ベルギーの他の地域では購入価格の12.5%の不動産登録税など、税負担が発生することになります。もちろん、建物の取得原価は法人税上減価償却の対象となります。
適切な建物を見つけるとき、どこに支援を求めることができますか?
FIT(ベルギー・フランダース政府貿易投資局)は、現地の開発当局や不動産アドバイザーと協力し、潜在投資家の要望に応じてフランダース各地の候補物件を取りまとめます。不動産仲介業者にも相談することができます。
さらにフランダースの開発当局は、新規事業のため、低料金の秘書サービスや通信サービスを完備した「ビジネス・センター」を用意しています。このビジネス・センターは新設会社のコスト削減手段となるため、当局も積極的に促進、奨励しています。なお、立地の選定では、ベルギー国内の開発区域でEUの優遇措置が受けられるかどうかを考慮することが重要です。
不動産(商用)リース契約では、テナントはどのように保護されますか?
不動産(商用)リースに関する1951年4月30日のベルギー法は、小売店舗など顧客が直接出入りする商用建物のテナントに特別な強制的保護を規定しています。
さらに重要な点として、9年間に3回までリース契約を簡便かつ優位に更新できることが法律で定められています。またテナントは、事業売却に際しリース物件を売却資産に含めることができます。この法律の趣旨は小売業を保護することですが、当事者間の合意があれば、他の種類のリースにも適用することができます。
不動産リースの期間はどのくらいですか?
いわゆる不動産リースの特徴のひとつは、リース契約は9年間であるが、一定の条件の下、いずれの当事者も3年間で契約を解除することができることです。ただし、賃貸人には特定の条件が課されています。顧客が直接出入りしない建物のリースの場合でも、同様のリース契約が結ばれるケースは数多くあります。
オフィスや倉庫などにはどのようなリース契約がありますか?
上記の1951年4月30日の法律の厳密な定義により、本社機能、事務所、倉庫、物流センターなど、建物が純粋に小売業等の商用目的で賃貸されるのではない場合、所有者とテナントは、リース期間とその終了方法など、契約関係を最大限自由に取り決めることができます。
購入選択権付リースとは何ですか?
会社は、リース契約期間のある時点で、建物の購入を所有者と交渉することができます。ベルギーでは、外国企業や外国人に土地建物の購入に関して制限を加えていません。
リース契約は文書にしなければなりませんか?
税務上に限りますが、リース契約は登録の必要があるため、各当事者の権利義務を文書で明らかにしなければなりません。またベルギーの法律では、リースを登録しておくことにより、リース契約期間中に所有者が建物を第三者に売却した場合、テナントは手厚い保護を受けられます。
保証金は必要ですか?
一般的に、所有者は通常3~6ヶ月の月額賃貸料に相当する保証金を要求します。保証金の実行は、銀行に現金を預け入れるか、銀行保証の差し入れで行なうことができます。銀行保証の場合は少額の手数料がかかります。
賃貸住宅の場合、保護はありますか?
住宅の賃貸には、テナントを保護するための規則が定められています。賃貸住宅が借家人とその家族の主たる住居である場合には、これらの規則は特に厳格に適用されます。ここで言う保護には以下のような措置が含まれます。
データ保護/プライバシー要件
個人データの取扱いに関する制限はありますか?
データ保護に関するEU指令は多くの要件を定めており、EU域内で個人データを取り扱う企業は、これらの要件を遵守しなければなりません。
ベルギーの法律は、このEU指令を批准しています。ベルギーで設立された法人が、従業員や顧客などの個人情報を直接間接に処理する事業活動を行なう場合、ベルギーのデータ保護規則に従わなければなりません。データ処理には、データの収集、記録、保管、使用、配布、破棄など、個人データに対して行なわれるすべての操作が含まれます。データ保護規則は、データ処理が定期的に行なわれるか、特定の目的で1回限りかに関わらず、また手作業による個人データの処理(個人データがファイルに保管される場合)にも、コンピューターなどによる自動的な処理にも適用されます。
個人データを処理することは、所定の条件が満たされていれば認められます。例えば、該当する個人が同意している場合、対象データに関する契約上の義務を履行するため、会社がそれを処理する必要がある場合等です。
処理方法についても法的要件が定められています。すなわち、合法的で具体的、かつ明確な目的に限りデータを収集することができます。その他の理由でさらに処理を進める場合には、個人データの本人から、新たなデータ処理の同意を得なければなりません。また、収集されたデータとデータ処理の目的には関係性がなくてはなりません。処理されたデータは正確でなくてはならず、必要があれば更新しなければなりません。さらにデータの保持期間は、データ処理の目的からして必要とされる期間、また場合によっては、処理されるデータの種類に応じて必要とされる期間に限られます。
データ処理を行なう会社は、個人に代わり会社が処理するデータに、本人がアクセスできる手段を設けなければならない場合があります。さらに、個人データの本人がいつでもデータを修正できるか、または修正を要求できなければなりません。データ処理がダイレクト・マーケティングに関係している場合など、一定の条件が満たされていれば、個人は特定のデータ処理に異議を申し立てる権利が与えられます。
ベルギーにおけるデータ保護規則の管轄機関はどこですか?
機械的に個人データを処理する企業は、監督機関であるプライバシー保護委員会(Commission for the Protection of Privacy)に詳細情報を提出しなければなりません。ただし、法令で規定される一部の事例については(企業の従業員や給与の管理に関係するデータ処理など)、事前通知の必要はありません。
したがって、ダイレクト・マーケティングを目的に顧客情報を処理する会社は、現行法の適用範囲に入るため、顧客本人とプライバシー保護委員会の両方に通知する必要があります。通知には、データ処理に関する具体的な説明が含まれていなくてはなりません。
この通知は用紙またはインターネットで行なうことができます。標準の通知用紙はプライバシー保護委員会が発行しています。用紙は委員会から郵送してもらうか、委員会のウェブサイトでダウンロードすることもできます(http://www.privacy.fgov.be)。
EU域外へのデータ転送に関して制限はありますか?
第三国(欧州経済領域(EEA)外)へのデータの転送については、当該の第三国における保護レベルが充分である場合に限り認められています。
保護レベルの適切性は、処理されるデータの種類、転送の目的、転送時間など、データ処理に関わるすべての状況に照らして判断されます。
特定の国の保護レベルが適切であるかどうかの判断は欧州委員会が決定します。欧州委員会が適切との判断を下せば、個人データをEU加盟国から当該の第三国に転送することができ、会社は追加的な保証を行なう必要はありません。現時点で欧州委員会が適切であるという判断を下している国は、スイス、カナダ、ガーンジー島、マン島、アルゼンチンです。米国へのデータ転送に関しては、米国に拠点を置く企業は米国商務省が定める「セーフ・ハーバー・プライバシー原則」を遵守しなければなりません。同原則は欧州委員会の「セーフ・ハーバー」の決定に付則として添付されています。
特定の国に関して未だ欧州委員会の判断が下されていない場合、EU域外で個人データを処理する計画の会社は、データ保護契約が事前に交わされているなど、問題となるデータ処理業務が、EUの禁止条項に対する例外措置の適用に該当することを証明しなければなりません。
欧州委員会は、個人データを第三国へ転送する場合に必要な秘密保持契約のためのモデル契約条項を公表しています。
【翻訳監修】
優成監査法人
公認会計士 霞 晴久
(1998年-2004年 ベルギー在)
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